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大西南
講談、寄席、絵画、音楽、芸術一般の記録
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2007年1月20日(土)18時30分開演
第4回尾上紫リサイタル
国立劇場小劇場

▽新作「静」18時38分~18時56分(18分)
<休憩30分>
▽清元「玉兎」19時34分~19時51分(17分)
<休憩>
▽長唄「鷺娘」20時20分~20時47分(21分)

踊りについては専門知識があるわけではないが
この夜の尾上紫さんの舞台は吸い込まれる魅力があった。
ご縁があって紫さんの踊りを初めて拝見したのは
2001年8月9日の第一回紫・青楓日本舞踊公演だった。
会場が国立劇場大劇場で広かったこともあり
長唄紀州道成寺からは力強さを感じた。
その後何回かお姿を拝見するチャンスを得たが
2005年3月21日の第三回リサイタルBloomでは
セットの見事さもあって藤娘に圧倒された。
そして今回の第四回尾上紫リサイタル。
陳腐な表現ではあるが完成度の高さに強い感動を覚えた。

この日の観客は関係者多数と見受けられたがざっと500人、
9割近い入りとみた。
さて、この日は踊りもさることながら
衣装、舞台美術、照明、と総合的なバランスの良さに圧倒された。
新作「静」は桜をプリントした薄いファブリックにほの暗い照明。
紫さんの着物も灰色に見えるときもあれば
クリーム色に見えるときもあり夜桜の妖艶さを感じさせる構成だった。
作詞は松本隆さん。
「冬吉野 雪の絵の具があの人の…(以下省略)」と
静御前を題材にした詞が披露された。
プログラムには松本隆さんからの寄稿も載っていた。
清元「玉兎」はレモン色に近かったと思うが紫さんの着物姿が鮮やか。
舞台中央に下げられた満月と大きく描かれた萩の絵が美しい。
長唄「鷺娘」は花道のすっぽんから登場した
傘を持ってせりあがった紫さんの姿がすでに錦絵のようなあでやかさ。
清楚な白の衣装なのだが息を呑む美しさ。
舞台も降り積もった雪をかたちどった簡単な造形だけを配置。
両袖を振るわせる紫さんの踊りは、実に繊細で上品な表現だった。

花、月、雪と三つの舞台でそれぞれのモチーフが実に美しく、
見事な「雪月花」をかたちづくっていた。

去年は8月19日(土)の『花形・名作舞踊鑑賞会』が
すでに完売のため見られなかったこともあり、
個人的には大劇場で開いてくれればなあと感じていた。
だが、凝縮された2時間余りの空気を感じたあとは
小劇場の大きさがちょうどいいのかなあとも思われる。
空間の大きさが完成度の要素のひとつだとすれば、
券の取りにくさをうんぬんというのは野暮なことなのだろう。

 

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